品龍寺ブログ

最近は毎日のように品龍寺に「墓じまい」の相談をされるかたが増えてきました。

お盆を過ぎてからの相談のほとんどが、「田舎の実家にあるお墓をどうしようか」という相談でした。

家や土地をどうするかに加え、家の近くにあるお墓をどうすればよいかと言うご相談が 本当に増えています。

品龍寺に相談に来られるかたのほとんどが

・実家にある先祖のお墓を無縁にしたくない

・先祖のお骨をまとめて永代供養墓に納骨できるのか

・遠方のためお墓参りが大変

と言われます。

今回は、墓じまいの流れ、かかる費用など過去の記事をまとめながら詳しく解説したいと思います。

 

目 次

 

1.墓じまいとは

2.墓じまいの流れについて

3.墓じまいにかかる費用

4.墓じまいにつきまとう離壇料というリスク

5.まとめ

 

 

1.墓じまいとは

 

墓じまいとは、今あるお墓のご遺骨を新しい場所に移し、お墓を撤去して更地に戻し、

 必要があれば墓地管理者にお返しすることをいいます。

 最近は、お墓を守っていく人がいないため、郊外にあるお墓を墓じまいして、

 今住んでいる近くにお墓を新たに建てる人や、遺骨を合同墓(永代供養墓)などに移す人が

 増えています。

 一番の問題は「ご遺骨をどこに引っ越しするか」です。

 「墓じまい」のあとのご遺骨は、半数以上の人が永代供養墓(合同墓)

 に納骨されています。永代供養墓は最初に費用がかかるだけで、その後の

 費用は発生せず、将来にわたり管理(供養)が続きます。また、遺された方が

 永代供養墓へお墓参りできることも、選ばれる理由かもしれません。また、

 自宅の近くや、交通の便が良い場所に新たにお墓を建立する方もおられます。

 墓じまいをしたお墓の墓石ごとお引越しされる方もおられます。

 時代の流れとともに、墓参りをして守る人がいなくなるというのが、

 「墓じまい」を考える一番大きな理由のようです。

 

「自身が都心部に引っ越してお墓が遠くなった」

 

「高齢になりお墓参りが出来ないから墓じまいをする」

 

という方もおられます。

 

 

 

 

 

2.墓じまいの流れについて

 

お墓にあるご遺骨をどうするかを決定したら、墓じまいに向かって

作業を進めます。どのような点に注意して墓じまいを進めていけば良いのか、

その内容を流れに添って時系列にご説明していきます。

 

⑴家族・親族とよく話し合う

 

一番大切なことは親族とよく話し合うということです。お墓とは、近親のご遺族だけでなく

 ご親族にとっても一族の象徴となる大切な場所です。お墓参りをすることで、亡くなられた

 故人を偲ぶことはとても大切な行為です。誰にも相談せずに墓じまいをしてしまうと、

 後々親族間でのトラブルとなってしまうこともあります。

 また、ご主人のご実家の敷地にあるという方も多いです。ご主人としてみれば思い入れは強

 いかもしれませんが、今後のことをよく考えてみてください。10年後、20年後の未来を考

 えてみることも大切です。

 

 

 

⑵改葬先(お墓の引越先)を選定する

 

今あるお墓をどうするのかによっても変わりますが、墓地・霊園、納骨堂、

合同墓(永代供養墓)、 樹木葬、散骨、手元供養などさまざまな納骨方法があります。

 

⑶墓地の管理者に報告する

 

家の敷地内にある場合は必要ありませんが、お寺の墓地や霊園にお墓がある場合は

親戚の同意を得ることと同時に、お墓のあるお寺や墓地・霊園に報告します。

前もって墓じまいをする意向があることを相談しておくとよりスムーズです。

その時に必ず、手続きや必要書類についても確認しておきましょう。

また、これまでのお礼や、跡継ぎがいないこと等の事情をお話し、

工事や墓じまいの日程についてご協力をお願いしましょう。

 

⑷行政手続き(改葬許可の手続き) 

 

墓じまいのあと、永代供養墓や新たなお墓へ遺骨を移すときには、改葬許可の申請手続きが

必要です。

①改葬許可申請書をお墓がある自治体(市区町村役場)で入手し、必要事項を記入する

              ↓

②埋葬(納骨)証明を現在の墓地の管理者に発行してもらう。

 または改葬許可申請書の証明欄への記入・押印を依頼する。

               ↓

 ③必要書類を、現在のお墓がある自治体へ提出し、「改葬許可証」を発行してもらう。

               ↓

 ④ご遺骨と一緒に、交付された「改葬許可証」を改葬先の管理者に提出する

 

 自治体によって、改葬許可申請書の書式が異なりますし、必要書類も異なりますが、

 このような流れになります。

 

 

 

⑸石材店を決める

 

お墓を解体する(必要な場合は新たにお墓を建てる場合の)石材店を選びます。

 基本的にはご自身で石材店を探すことになるのですが、墓地・霊園によっては指定石材店が

 ある場合もあります。お寺や墓地・霊園にご相談する時に、指定石材店があるかどうか確認

 しましょう。指定石材店がない場合にはご自身でよく検討して石材店を手配しましょう。

 石材店に相談する時に、お墓のある場所の地形やお墓の規模など詳細をしっかり伝えまし ょう。

できれば複数店舗に見積もりをお願いすることをおすすめします。

 

⑹墓じまい

 

墓じまいの前に墓前での法要を行い、ご遺骨を取り出し、墓石を完全に撤去する作業を行います。

性根抜きや、閉眼供養をする宗派もありますが、浄土真宗では亡くなられた方は、

極楽浄土に往生し仏さまとなっておられますので、お墓から魂を抜くことはありません。

完全に更地となった状態に戻したら、墓地の管理者に永代使用権をお返しします。

 

⑺改葬先へご遺骨を移す

 

 取り出したご遺骨を新たな受け入れ先へ納骨して、僧侶に納骨法要をお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

3.墓じまいにかかる費用

 

⑴お墓の撤去費用(石材店)

お墓を撤去して更地に戻す費用です。お墓の立地や状況によって違いますが、

一般的なお墓の場合10万円から20万円程度が相場です。

「区画の広さ」「立地条件」「撤去した後の墓石をどうするか」によっても変わってきます。

 

⑵お布施

遷仏法要や納骨法要のお布施です。お寺との関係性などにもよりますが、数千円から数万円

程度が相場です。※なかには離壇料が必要な場合もあります

檀家としてお寺にお墓を管理してもらっていた場合、墓じまいとともに檀家を抜ける

(離檀する)ことが多いです。このときに「今までお世話になりました」という意味で

お寺に支払うお金が離檀料です。

離壇料は不要の場合もありますが、その場合は永代経懇志を納めることもあります。

品龍寺でも境内墓地を墓じまいをして、遠方へ引っ越される方もありますが、

離壇料を請求したことは一度もありません。

 

 

 

 

 

 

 

 

4.墓じまいにつきまとう離壇料というリスク

 

改葬やお墓の引越、墓じまいの相談が増加する一方で、「離檀料」を払わなければならない

のか、高額な離檀料を請求されるのではないか、と心配される方も増えてきました。

先日も数百万円の離壇料を請求されていると相談がありました。

 

 

 

⑴そもそも離壇料とは

 

昔から、お寺の境内や、管理する墓苑にお墓がある場合、檀家をやめたり、

墓じまいする際に、長年のお礼としてお布施を包む慣習があったようです。

もともと「離檀料」という言葉はありませんでしたが、最近になって新しく

使われるようになり、耳にもするようになりました。

 

本来「離檀料」とは、寺院側から請求されるものではなく、お気持ちを

お礼としてお渡しする「お布施」だったのです。

 

⑵離壇料は本当に必要なのか

 

結論から言いますと、「離壇料」を支払う法的な根拠・宗教的な根拠は全くありません。

寺院と檀家関係を結ぶ際に契約書を交わし、その中に離檀について記載された条項でも

あれば話は別ですが、ほとんどの場合、檀家になる時に契約書を交わすことはありませんし、

そのような契約書など存在しません。

また離壇料は、どこの寺院からも必ず請求されるわけではありません。

当然、品龍寺でも「離壇料」を請求することは絶対にありません。

同じようにほとんどの寺院でも「離壇料」を請求することはないはずです。

本来、お布施であるはずの「お礼のお気持ち」を寺院側から請求するのは、本末転倒です。

 

 

 

⑶離壇料に関するトラブル

 

墓じまいをして、お墓の引越しをする場合は、自治体に「改葬許可証」

を提出しなければ、引越し先にご遺骨を納骨することができません。

「改葬許可証」を発行してもらうには、自治体備え付けの「改葬許可申請書」に、

現在ご遺骨を納骨しているお墓の管理者の署名捺印が必要です。

「離檀料」を払わないと、その書類に署名捺印をしないと脅されるケースもあるそうです。

ご遺骨が人質のようになっているので、強気に出ることもできず、

高額な離壇料を払ってしまうケースもあるそうです。

 

 

 

 

⑷「離壇料」は支払わない!?相場は?!

 

支払い義務がないからといって、払う必要はないと突き放してしまうのでは、

これまでお世話になった菩提寺に対して失礼な気もいたします。

長年お世話になったお礼として、「お気持ち」として渡すことも良いかと思います。

相場としては、それぞれの世帯の年収や、お寺との付き合いの深さにも

よりますが、数万円~数十万円が妥当のようです。

 

 

⑸実際に高額な「離壇料」を請求されたら

 

もし、万が一高額な「離壇料」を請求されてしまったらどうすればよいのでしょうか?

 最終的には訴訟、裁判による方法も考えられますが、時間も費用もかかります。

 まずは円満な解決を目指すことが大切です。寺院側にこれまでの感謝の気持ちを伝え、

 高額な離檀料の支払いは難しいと説明しましょう。

なるべく冷静に、よく話し合って和解の努力をすれば、住職も理解してくれる

かもしれません。そもそも、信教の自由が認められている現代では、離檀料を

支払わないからといって、改葬をやめさせる権利はお寺にはありません

 「墓地、埋葬等に関する法律」の第5条に定められている通り、改葬を許可する

 のは市町村長で、住職ではありません。

 そもそも離檀を阻むような行為は、

 憲法20条の「信教の自由は、何人に対してもこれを保障する」

 という信教の自由を侵害することになります。

 もしも寺院側との交渉が無理なようでしたら、石材店、役所の担当者などの第三者に

 相談するのもいいと思います。そのお寺の本山に相談してみるのも良いかも しれません。

それでも交渉が決裂してしまう場合、最終的には、行政書士や司法書士、

 弁護士などの専門家に相談すると良いでしょう。

寺院側も「離檀料」と いう法的根拠のない費用を請求して、万が一裁判になった場合、

負けるのは 明白なため、そこで引かれるケースもあるようです。

 

 

 

 

 

【まとめ】

 

いかがでしたでしょうか?何となく墓じまいのことがお分かりいただけたかと思います。

 とても大切なことですので、焦らずゆっくりと、親族間で話し合うことが大切です。

 そしてみなさんが納得されるよう慎重に検討してみてください。

 お墓や墓じまいに関することでお悩みの方はいつでも品龍寺にご相談ください。

 わからないことがあれば、品龍寺がいつでもお力になりますので、お問合せください。

 また、信頼できる行政書士や司法書士、弁護士などの専門家を紹介させていただくことも

 できますので、まずは、お気軽にご相談ください。