品龍寺ブログ

 

 

お彼岸の意味

昔から「暑さ寒さも彼岸まで」と言われますが、私たちの生活に深い関わりをもっています。

国民の祝日に関する法律 祝日法第2条によりますと、

春分の日は「自然を讃え、生き物を慈しむ」となっており、

秋分の日は「祖先を敬い、亡き人を偲ぶ」と定められております。

春分の日も秋分の日も、昼と夜の長さが大体同じで、

中日を真ん中に挟んで七日間をお彼岸と呼んでいます。

 お彼岸とは彼の岸、つまり極楽浄土のことを意味します。

 

 

一方で私たちが住むこの世界を、この岸と書いて此岸(しがん)といいます

此岸は私たちの住んでいる世界の事で、欲や煩悩にまみれた世界です。

さまざまな苦悩にたええ忍ばねばならないこの世界を、サンスクリット語では

「サハー」といいます。世間の事を俗に「しゃば」というのは、ここから来ています。

 

 

当時の人々は、苦に満ちた現世から理想の世界である極楽浄土に渡ることを願い、

昔の人々は六種類の実践業を行いました。それが六波羅蜜(ろくはらみつ)と言うものです。

 

布施…思いやりのある暖かい心で人のため、社会のために尽くすこと。

持戒…私たちが生活する以上、どんな場合でもルールがあります

   定められたルールを正しく守り自分を磨いていくこと。

忍辱…苦難の伴わぬ社会はありません。すべての苦難に耐え抜き、乗り越えていくこと。

精進…成さねばならぬ事は、精一杯努力をすること。

禅定…落ち着いた静かな心で行動すること。

智慧…深い洞察力。常に正しい判断力を養うこと。

 

以上の六つは人間である以上、大切な心構えでもあろうかと思います。

私達もたとえ一つでも二つでも生活の中に生かしたいものです。

そして日頃は、忙しさに追われて仏さまと疎遠になっていた私が、

この気候のよい時季に、西に沈みゆく夕日を見ながら西方浄土を想い、

我が人生を考え、仏縁を深める集いがお彼岸法要です。

浄土真宗では仏さまのお徳を讃え、み教えを聞き開く「聴聞」のご縁として大切にしています。


 一般にお彼岸といえば、故人を偲ぶための「お墓参り」をされる期間と考えられています。

もちろん亡き方を偲ぶことも大切なことですが、その事実を通して、

残された私が 「何を受け取り、何を学ばせてもらうか」 が一番大切なことです。

 私自身もいつか「老い・病み・死んでゆく」身である事を自覚し、

此岸に生きる我がいのちを深く考え、新たな一歩を歩んでいくことが大切ではないでしょうか。 

 

お彼岸の中日はその年によって異なりますが、

今年は321()が春分の日です。

 

品龍寺でも321()13時より合同墓前での読経、1330分より

本堂におきまして春季彼岸会をお勤めいたします。

 

みなさまもご先祖様や亡くなられた大切な方にに思いを馳せ、

お彼岸に合わせてお墓参りをしてはいかがでしょうか?