品龍寺ブログ

 

近年、ご存知の通りお墓の事情や納骨方法が目まぐるしく変化し、

一般的な普通のお墓だけではなく、数万円で納骨できる安価な合葬墓も増えてきました。

ここ広島でも、自動搬送式納骨堂、樹木葬、永代供養墓、納骨堂など

たくさんの種類の納骨方法があります。

超高齢化社会による死亡者の増加と、将来のお墓の「無縁化」を心配する人が

増えていることが背景にあります。

 

寺院墓地を始め、民間の霊園や公営墓地でも合葬墓が作られ、

中には抽選で何十倍という倍率のところや生前の予約が殺到している

ところもあると聞きます。

合葬墓については、

「他人のお骨と一緒になるのが嫌だ」

「経済的にありがたいし何の抵抗もない」

と賛否があります。

 

 

 

そもそも合葬墓(がっそうぼ)とは?

 

複数のご遺骨を1つのお墓に納骨するタイプのお墓のことで、

核家族化や少子高齢化を背景に全国的に増えているお墓です。

変な例えですが、一般的なお墓が一軒家とすると、

合葬墓は

「一つの箱にみんなで入る」

という意味ではマンションタイプになります。

 

・永代供養墓(えいたいくようぼ)

・合祀墓(ごうしぼ)

・合同墓(ごうどうばか)

・共同墓(きょうどうぼ)

といろいろな種類や呼び方があります。

 

一定期間ご遺骨を他の遺骨と混ぜ合わせることなく納骨される場合もあれば、

最初から複数のご遺骨を一緒に埋葬する場合もあります。

 

ちなみに品龍寺にある合同墓は、お骨壺ひとつづつのお預かりで

永代に渡り個別に納骨させていただいております。

夫婦や家族のご遺骨の場合は同じ場所に隣り合わせで納骨いたしております。

 

 

 

 

安価な合葬墓についての新聞記事

 

昨日何気なくヤフーニュースを見ていると、

 

201956日の朝日新聞デジタルにこんな記事がありました。 

 

“安価な合葬墓、寺院は懸念「人生の価値考えるとひどい」

秋田市が市北部墓地(飯島)に整備していた1500体分の合葬墓が完成した。7月には、自宅などに遺骨がある人や市営墓地から改葬する人を対象にした1次募集を行う。使用料が安価なことから人気が予想されるが、寺院からは疑問の声も聞かれる

   ~中略~

市内のある寺院の住職は「人生の価値を考えるとひどい」と疑問を示す。この寺は10年以上前に合葬墓を設け、20万円から供養を受け付けている。檀家(だんか)の墓じまいは「時代の要請」と受けとめているが、「管理の方法などが(公営合葬墓は)お粗末過ぎる」とこぼす。別の寺院の住職も「『一度埋葬したらおしまい』という感じがして釈然としない」と漏らす。”

    (引用 2019年5月6日朝日新聞デジタルより)

 

という安価な公営の合葬墓に寺院から疑問の声があがっているという記事でした。

記事を読んだ人が感想や意見を書き込むコメントは3000件以上投稿され、国内ニュースの

コメント急上昇ランキングでも1位になるなど、世間の人の関心の高さが伺える記事でし

た。

 

 

合葬墓についての新聞記事を読んで

 

 

どういう意図でお寺の住職の意見を聞いたのかは分かりませんが、

この記事だけを見るとこのお寺の住職達に悪い印象を持ってしまいます。

 

このお寺の住職達をかばう訳ではありませんが、

私も他の方のお骨と混ぜるという納骨方法には個人的に

抵抗があり、少し寂しい気がいたします。

中には、実際に「ご遺骨の管理方法が粗末だった」と耳にすることもありますので、

この住職の釈然としないという気持ちも分からなくはありません。

 

しかし、この記事に書かれてある通り寺院側が異論を唱えるということならば

それは違う気がします。

寺院側にいろんな納骨方法を否定する権利はないはずです。

 

 

・合葬墓は抵抗があるので立派なお墓を建てたい

・ごちゃ混ぜでもいい

・きちんと墓を管理して欲しい

・管理など必要ない

 

と、人それぞれの事情や考え方があるので色んな選択肢があって良いことだと思います。

 

寺院側とすれば死活問題かもしれませんが、

困った人の助けとなるのが本来のお寺のあり方だと思います。

むしろこういう施設は助かる人も大勢いて良い事だと思います。

 

品龍寺でも、事情がありお困りの方にはお力になることもありますし、

経済的に苦しい場合はお布施を頂かないこともあります。

 

品龍寺合同墓に納骨を希望される方は、

 

「亡きかたのご遺骨を粗末にしたくない」

 

「しっかりとこのお寺で管理して欲しい」

 

「家族を並べて個別に納骨して欲しい」

 

 

というご遺骨や亡きかたを大切にしたいと思われている方がほとんどです。

残念ながら、お墓を「骨捨て場」と思っている人や、

「お墓参りには来ません」と言うような、

亡きかたへの気持ちが無い方については、お寺としてお断りしております。

やはりどんなお墓にするにしても「気持ちが大切」だと思っています。

 

お墓は、故人や残された遺族が納得されることが一番です。

他の方のご遺骨と合葬される合葬墓でも、みんなが納得し、

その方を偲び手を合わせることが出来るのであれば、

選択肢の1つとして良いのではと改めて考えさせられました。