品龍寺ブログ

先日、朝日新聞社が「人口減社会」をテーマに実施した郵送による

世論調査によると、自分の孤独死を心配する人が半数に達した

というニュースを見ました。

2010年調査の37%から大きく増えたそうで、

今や50パーセントの人が孤独死を心配されているというニュースでした。

 

子供がいない、親族もいない、自分が入るお墓もない。

また子供はいても遠方に住んでいる、

親族とも付き合いが無い。自分が死んだらどうなるのか?

そんな不安を抱える人が増えています。

 

 

孤独死とは

「孤独死」とは、誰にもみとられずに自分1人で亡くなることです。

決まった定義はなく、全国的な件数も不明だそうですが、

遺族に代わって遺品整理を担う業者が増えるなど、

社会にとってそうした死は日常となりつつあります。 

 

孤独死をするとどうなるの?

孤独死をし、身元が明らかでない場合は、その方が亡くなった

地域の自治体が火葬し、無縁墓に納骨されてしまいます。

しょうがないこととは言え、どこか寂しい感じがします。

また身元が判明して親戚と連絡が取れても何らかの事情で

引き取りを拒否される場合もあるそうです。

 

 

孤独死に備えてできること

誰にでも起こり得ることですが、結婚していても、

離婚や別居でひとりになることはありますし、

突然、死を迎えることもあります。

「その時」のために、自分がしておくべきこと、

対策はあるのでしょうか?

 

1.ご近所づきあいや仲間作り

一人暮らしをしている高齢者は女性のほうが多いそうですが、

孤独死の割合は男性のほうが多いそうです。

男性は退職後、ひとりで活動しがちで、

何かあっても気づかれにくいことが多いからです。

逆に、女性はコミュニケーション能力が高い人が多く、

近所の人や仲間とのコミュニティが出来ています。

孤独死を防ぐためには、周りの人とのコミュニケーションが

大きく関わっています。

また、ご近所の方や、お友達に一人暮らしであることを

伝えることも大切です。

 

 

 

2.訪問系のサービスを利用する

訪問介護や宅配サービス、宅食サービスなど、

自宅まで来てくれるサービスや見守りのサービスを利用し、

その方々との関わりを持つことで、何かあった時に

気づいてもらいやすくなります。

デイサービスを利用されたり、老人ホームに入居される方も多いです。

 

3.事前に相談や準備をしておく

生前に自分でお墓・葬儀を準備しておくことも重要です。

最近では終活ブームを受けて、生前にお墓の予約ができる

墓地や霊園が少なくありません。また葬儀についても、

生前予約ができる葬儀社も多いです。

万が一に備えてのお墓や葬儀の生前準備をしておくと、

とても安心です。

すっかりおなじみになった「エンディングノート」

もおすすめです。起こりうる孤独死に備えて、

前もってエンディングノートに埋葬場所や方法、

葬儀、寺院、費用に関する情報を記載しておくことで、

無縁仏になることを防ぐことができます。

 

お寺のこれから

ひとり身の人にとって、自分が死んでからのことは

とても不安です。

品龍寺では、「最後に自分のお墓が決まると安心」

という声を聞き、2000年に「品龍寺合同墓」を建立しました。

合同墓を生前に申し込まれた方が「墓友」として集まり、

食事をしながら語りあうという光景もあります。

また、「亡くなったあとのことが心配」という相談を受けることや、

後見人を依頼されることも増えています。

行政による支援だけではなかなか厳しいので、

お寺で出来ること、例えば、集まることのできる場所の提供や、

より良いコミュニティの形成も必要だと感じています。

多くの方が「墓友」としてお寺に集まり、

お友達との会話が楽しむ場所に出来ればとも思っています

 

 

まとめ

「孤独死」や「無縁墓」には寂しい響きがあります。

これらの問題は事前に準備や対策を行うことで

無縁になることを回避できるはずです。

ぜひ一度、考えてみてください。

不安な方や、何をどうすればよいか分からない方は

品龍寺にもご相談ください。