品龍寺ブログ
お寺でお掃除!(2019年5月22日)

 



5月25日は品龍寺で永代経法要(合同墓前での読経も)があるため、昨日、門徒さんにお手伝いしていただき、 大掃除をしました。

 

品龍寺では昔から門徒さんの助けを借りてお寺の美化が維持されてきました。

 

  昨日の掃除には、初めて参加された方や、若い方も来られ、みなさんで本堂や玄関、合同墓、井戸端など いろんなところを綺麗に掃除してくださいました。

 

門徒さんと一緒に掃除できること、 本当にありがたいことです。 今回はつい張り切ってしまいまして、漆を磨いてもらったり、真鍮製の佛具を磨いたりもしました。 (写真一枚も撮れませんでした・・・)    

 

 

一、作務 二、勤行 三、学門

 

 

掃除と言えば、お寺の世界では昔から、

  一、作務(さむ) 二、勤行(ごんぎょう) 三、学門(がくもん)

  と言われています。作務とは、掃除や片付け、庭の草取りなどの作業のことです。

勤行とはお経を読むことです。勉強や、お経を読むことはもちろん大切なのですが、 「なにかにつけ面倒くさい」と、軽く扱われがちな掃除も大切な僧侶の勤めです。  

 

私が広島に帰る前も京都の西本願寺や東京の築地本願寺でも僧侶の基本はお給仕(きゅうじ) と叩き込まれました。

お給仕とは、お掃除をしたり、荘厳(しょうごん・かざり)を整えたり、 お仏飯を作りお供えしたりすることです。お給仕は、私たちに常に寄り添いはたらいてくださっている 仏さまへの感謝のこころから行います。

  お寺はたくさんの方がお参りに来られます。法要の時には大勢の人が本堂に出入りします。

お寺を掃除する時は、お寺に来る人のことを想い、そして仏さまに失礼のないように 荘厳を整える気持ちで取り組んでいます。

 

 

 周利槃特

 

 

ブッダの弟子に周利槃特(シュリハンドク)というお坊さんがおられました。

「レレレのおじさん」のモデルになった方とも言われています。 自分の名前も忘れてしまうような彼に、ブッダは1本のほうきを渡し、 とにかくひたすら掃除をするように言いました。

周利槃特は「ちりを払おう、あかを除こう」と唱えながら掃除に打ち込むうちに、 ちりやあかとは自分の執着心のことだったと気づき、悟りを開かれました。  

掃除は汚れを取るだけでなく、心に「気づき」を与えることもできるのです。

どんなに綺麗にしてもしだいに汚れていくように、自分の心も同じなんだと気づかされます。

 

 

ご家庭のお仏壇もお掃除を

 

 

お寺のお坊さんの大切な仕事が掃除であるといいましたが、ご家庭のお仏壇でも同じことが言えます。 お寺と同じように、お仏壇も仏さまが安置され、亡くなられた大切な方を偲ぶ場所です。

ご門徒さんのお宅にお参りに行きますと、たまにお仏壇に埃がたまっているご家庭もあります。 うっかり忘れられただけでしょうが、少し淋しく思います。

皆さも、ご先祖を敬うことや、自分自身をみつめ直す意味でお仏壇のお掃除をされてはいかがでしょうか。 手を合わせた時にホコリを払うだけでも違います。

また年に数回はお仏壇のお手入れをすることをおすすめします。 お仏壇には唐木仏壇、金仏壇、現代風の家具調仏壇があります。 唐木仏壇は見た目が木の仏壇で、金仏壇は、金箔や金粉で装飾された仏壇です。 金仏壇は自分で掃除できる部分が少ないですし、金箔が貼られていますので慎重に行ってください。

お仏壇の掃除をする前はお仏壇の写真を撮ってください。 お飾りが分からなくなったという方がたくさんおられます。 お仏壇を掃除するには、ハタキや筆、艶出しクリーム、金属磨き、 ロウ取り用のスプレー柔らかい漆拭きの布などがあります。 どれも高いものではありませんのでお仏壇やさんで探してみてください。

昨日も佛具磨きの液体を見て、

「今はこんな便利なのがあるんだ」

「今度使ってみよう」

と興味を持たれた様子でした。

  • 濡れた雑巾で拭く
  • 洗剤を使う
  • 佛具を無理やり取る
  • 目の粗いタオルを使う

ことなどは絶対にやってはいけません!!

是非みなさまも、お寺で、ご家庭で、お掃除をしてみませんか? お寺に来ていただけたらいつでもお掃除できますし、清々しい気分になるかと思います。 お寺が難しい方は是非ご家庭のお仏壇を綺麗にお掃除してみてください。 お掃除のことやお飾りのことで分からないことがありましたら何でもご相談ください。 自分の部屋は置いといて、仏さまの周りのお掃除に関してはプロだと自負しています。