品龍寺ブログ

 

 

最近、このように「お墓の跡取り」についての
ご相談を受けることが増えてきました。
少子化や核家族化、都心部への人口集中と
いったさまざまな理由により、
お墓の継承ができない事例が増えています。

最近では「墓じまい」という言葉もよく聞き、
雑誌や新聞でも頻繁に見るようになりました。

しかし、せっかくご先祖が建ててくれたお墓、
結論を急ぎすぎ、慌てて「墓じまい」と決めてしまっては、
もったいないし、申し訳ない気持ちにもなります。

 

 

 

 

家族・親族で話し合うことの大切さ

 

まずは家族、親族でしっかりと話し合いをしましょう。
ご自分のお子さんでなくても甥っ子や姪っ子など若い方が
「お墓を守っていってもいい」と言われるのであれば、
それが1番安心できますし、ご先祖も喜ばれることでしょう。

何といっても先祖が建てたられた大切なお墓を守ることを優先させたいものです。
何度も言いますが、墓じまいをしたり、永代供養墓に移したりすることを検討する前に、
お墓の継承者をもう一度よく考えてみることはとても大切なことだと思います。

 

 

お墓は誰が継げるの?

 

お墓の跡継ぎになれるのは、子供や配偶者、親族などの
血縁関係にある人たちだけではありません。
お墓の後継者がいない場合、そのお墓の永代使用権所有者
(相続人)が遺言や口頭で指定していれば、
だれでも相続人(継承者)とすることができます。
ただし、墓地や霊園によっては細かい条件が決まっている
ところもありますので、必ず事前に確認しましょう。

お墓というのは、故人を偲ぶことができる大切な場所でもあります。
跡継ぎとなる子供がいないからといって、すぐに諦めてしまうのではなく、
お墓を残すことを前向きに検討することも必要かもしれません。

お墓は、一般的に家の長男が継ぐものですが、
子供が娘だけで、結婚して家を出ているケースもあります。
また同居や近くに住んでいる場合もあるでしょう。
お墓は男性が跡を継がなければいけないという決まりはありませんので、
女性が継いでも構いません。娘さんが結婚して家を出ていいても、
自分の親のお墓を継げないことはありません。
子供が娘さんのみで、お墓の跡継ぎに困っている場合、
早めに家族で話し合っておいて方が良いでしょう。
「子どもが何とかするだろう」と人任せにせず、
事前にお子さんと相談しましょう。

息子さんがいる場合も、「継いでくれるはず」と思いこんだり、
「継ぐべき」と責任を押し付けず
今後のお墓について慎重に相談しましょう。
 お墓のことを家族で話すにはとてもデリケートで、パワーも必要です。
しかし、早めにお墓の問題を解決することでモヤモヤと不安な毎日を送ることもなくなります。

一番大切なことは故人を思う気持ちやお参りのしやすさです。

 

 

 

後継ぎがいないとどうなる?

 

お墓を継ぐ人がいなくなったら、いくら先祖代々続いてきたお墓であっても、
「無縁墓」になってしまいます。無縁墓になると遺骨は墓地の管理者によって
合葬され、暮石も撤去されてしまいます。
最近では、お子さんのいらっしゃらないご夫婦や、いても女の子だけ
または男一人などの家庭は今ではめずらしくありません。
子供がいる世帯に限ってもお子さんの数は平均して1.6人です。
これからは一人っ子どうしの結婚が増えていくことは間違いないでしょう。
そうなると、どちらかの「家」がなくなり、せっかくお墓を建てても、
先祖代々のお墓を引き継いでも、このお墓の半分は子供たちの代で継ぐ人が
いなくなってしまいます。

つまり今あるお墓の半分は近い将来、無縁墓となる可能性があるのです。
お墓は大切な故人やご先祖の方々を偲ぶ場所です。
無縁墓になることはなんとして避けたいものです。

 

 

跡継ぎがどうしてもいない場合

 

実際にお墓の相続人(継承)がどうしてもいなかった場合、
どうすればいいのでしょうか?
方法としては、「墓じまい」をし、

「永代供養墓」

「新たなお墓への改葬」

「樹木葬」

「散骨」

などの方法があります。

 多くの方のご相談をお聞きするなかで、自宅やお子さまの自宅近くにお墓を建てたり、
永代供養墓を選ばれる方がほとんどです。樹木葬については、お墓参りする際に違和感を覚える方が多く、
散骨については、お参りする場所が無く寂しい気持ちになることがあるようです

 


 

まとめ

 

まずは、しっかりと家族・親族間で話し合いましょう。

自分1人で悩まず抱え込まず、みなさんで一緒に考えましょう。

思わぬ人が跡をみてくれるかもしれません。

どうしても後継ぎがいない場合は「墓じまい」とういことになるでしょう。

次回は、その「墓じまい」についてお話しさせていただきます。

 

「墓じまい」で失敗しない5つのポイントを解説します